薬用植物の国内生産確立!?
薬用植物の国内生産
熊本大学薬学部と熊本県の地場企業とが協力して、漢方薬や機能性食品となどの原料となる薬用植物を、高品質かつ安定的に国内生産できるシステム開発に共同で取り組むことを発表しました。
今後の展開としては文部科学省から資金を提供してもらい、自然共生型産業イノベーションセンターを熊本大学薬学部の薬草園内に新設することをあげています。
>>薬用植物の国内生産確立へ‐熊大薬学部と地場企業が連携:薬事日報ウェブサイト
また、ここを拠点として平田機工をはじめとした複数の地場企業と共同研究を進めてこの事業を具体的に実現するということを計画しています。
これによって震災からの地場産業復興を目指す熊本県も協力をしてさらに強固な運営体制を構築することを目指しています。
イノベーションセンターの新設資金については、文部科学省の「地域科学技術実証拠点整備事業」として得たものであり、資金は9億円投じられています。
これによって、センターの設計をして2017年秋には竣工する見通しで準備が進んでおり、着々と計画は進行中です。
このセンターの延べ床面積は2049平方メートルとなっており、かなり広大なものとなっています。
複数の地場産業と共同研究を行うための施設や設備を作るだけでなく。
知財早出や管理、外部資金支援、熊本県や肥後銀行などによって事業化支援の拠点となるフロアを設置して、研究だけでなく産学官連携イノベーション施設としての活用が目標となる設計がされています。
センター設立のメリット
事業での研究内容としては、参加する複数の地場企業とともに共同研究講座を4つ設けて進めることが予定されています。
すでに2つの講座については立ち上がっており、残りの2講座については4月と7月に新設される予定で動いている状態です。
地場企業というのは規模が決して大きくなく、実現できる研究にも限界があります。
しかしながら、複数の企業が協力すること、共同研究体制が構築できることによって研究拠点を確保することができますし、継続的に研究をすることができるようになります。
さらに、地方の国立大学に密着して研究を行うことによって、地元に優秀な人材をとどめることができること、さらには早いうちから優秀な学生を確保することができることなどといったメリットもあるのです。
このような機能性植物など生物が関連する研究はバイオの分野とも関連が深く、再生医療や遺伝子研究などの発展のため多くの人材が必要とされています。
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センター内での研究内容
センターでの研究の中核となるのが高品質で安定的な天草の国内生産システムを構築することです。
生産ラインの制御技術を持つ平田機工、熊本近郊に日本最大級の水耕栽培農場を有している河合興産というように、生産に重要な役割を担える企業も地元にありますから、共同開発の研究ラインは確保ができています。
現在、天草は漢方薬の原料として多用されているものの、海外からの輸入に頼っています。
輸入量減少や価格高騰、品質悪化というリスクから身を守り、安定的に供給をするためには国内生産体制の確立が叫ばれており、このセンターはそれに先駆けて取り組むこととなるのです。